お知らせ

患者さまへのご報告

2025.11.11

皆さまに、ご報告したいことがあります。

当院副院長、坂内登は、11月11日午前に静かに息を引き取りました。享年90歳でした。
今年8月までは週1回金曜日の外来を担当しており、以前ほどのバイタリティはありませんが患者さんの診察をしたりご家族とお話をしたりすることを生き甲斐としていました。今年3月、以前からの持病である心房細動からの心不全が悪化し1か月間の入院生活をしましたが、そこから約半年は心不全症状もなく家族旅行に出かけるなど、とても元気に過ごしていました。しかし、8月上旬に自宅階段から転落したことをきっかけに、徐々に体力も落ち、外来に出なくなったことで生活のリズムが崩れて気力もなくなり、食事が十分にとれない日が続きました。10月初旬、体調が急激に悪化し、救急車で基幹病院に搬送されたところ緑膿菌による敗血性ショックと診断され、集中治療室で救急科の先生方と循環器内科の主治医の先生が懸命に治療をして下さいました。その結果、10月下旬には点滴もすべて中止して口から食事がとれるようにまで回復し、89歳にして重度の感染症を乗り越えた生命力に家族も驚いたほどでしたが、さすがに心臓への負担が大きく、最終的には心臓の働きが限界にきてしまい、家族に見守られながら静かに眠りにつきました。最後まで父と家族に寄り添い、ご加療下さった基幹病院の先生方とスタッフの皆さまに、心より感謝を申し上げます。

当院は41年前に小児科医院として父が開業し、当時はまだ県央地域にも開業医院が少なかったことからも市内だけでなく遠方からも患者さんが受診して下さり、父も大きなやりがいと使命感で充実した人生だったと思います。私が東京で自由に学生から小児科医として約30年を過ごし、その後2013年に三条に戻ってきたのも、父の地域医療を大切にする姿を見ていたからでもあります。医師の数に余裕がある都会よりも、医師が少なく自分が子ども時代を過ごした地域で子どもたちの役に立ちたい、という気持ちで、高齢の父には休んでもらうつもりで戻ってきましたが、“生涯現役”を希望する父は亡くなる3か月前まで外来診療を続けました。外来には子どもの頃に父が診察した患者さんがママやパパになってお子さんを連れて来て下さり、『あの時、登先生に命を助けていただきました。』と言って下さるなど、父の偉大さを実感することがしばしばありました。
父は小児科医としての人生を悔いなく全うして旅立ちましたが、今後は父から学ぶところは受け継ぎ、時代に沿ってリニューアルするところは改善しながら、職員と一緒に当院を守っていきたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

これまで長きに亘り父と当院を支えて下さった旧職員・現職員の皆さま、患者さんとご家族の皆さま、誠にありがとうございました。

           

坂内小児科医院

院長・坂内登の娘 坂内優子

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